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Tokyo Gendai 2024 Galleries: C10

Takuro Someya Contemporary Art (TSCA)は、東京現代にて岡﨑乾二郎とラファエル・ローゼンダールの作品を展示いたします。Galleriesセクターでの出展となる今年度は、2019年に豊田市美術館で開催された岡﨑乾二郎の大規模個展「視覚のカイソウ」で展示された大型のタイル作品と新作彫刻の出展が実現します。そして、ラファエル・ローゼンダールは2023年から2024年にかけてポーラ美術館にて開催されていた「モダン・タイムス・イン・パリ1925 ― 機械時代のアートとデザイン」展へ出展された高さ3メートルにおよぶレンチキュラー作品のシリーズをさらに多くのみなさまにご覧いただきたく、東京現代の場で改めて展示いたします。

 

1955年東京生まれの岡﨑乾二郎の絵画や彫刻作品に結実した成果は、幅広い領域に及んでいる彼の活動や仕事に注目することでより理解できます。建築、コミュニティ・プロジェクト、批評家、思想家と、岡﨑は制作と理論の両面で “巨匠 “としての足跡を残してきている、がそこに見出されるのは一つの一貫する造形思考です。

 

その彼の制作と思考のスタイルの独自さが集約して現れているのがセラミックタイルによる仕事でしょう。

 

それぞれに異なる素材と焼成プロセスをもつ様々な色彩タイルを組み合わせ、一つの作品として構想することは、机上のドローイングではできません。

 

無数の色タイルのそれぞれの特性を把握し、色彩のシークエンスをつくることは、むしろ映画の編集やあるいは哲学的な論考を組み立てるのと似た過程です。個々のタイルがもつ固有の質(たとえば透明な色彩とマットな色彩の対比は岡﨑の絵画を理解する鍵になるだろう)を生かし、岡﨑は数学的な問題を解くように、あるいは物語を編むように画面を組み立てる。できあがった作品のあらゆる部分が映画の場面あるいは建築空間の連続のように、そのつど固有な様々な色彩構成、独立した絵画作品のように現れ、それがなおかつ全体へ連続していき、見るたびに鑑賞者にさまざまなイマジネーションを喚起させます。画面を見るプロセスは思考するプロセスとひとつに重なりあいます。

 

1980年オランダ生まれのラファエル・ローゼンダールは、2001年から独自のドメインを持つ「ウェブページ」で作品を発表し始めました。自らのアートを「どこにでも現れるガスや液体のようなもの」と定義するローゼンダールは、インターネットというユビキタス性を作品の基本構造として、ウェブブラウザや食べ物、風景など、身の回りのユニークな事象をモチーフにさまざまなフォーマットの作品を発表してきました。豊かな色彩と自由奔放な構図による作品の多様性は、観る者を楽しませるだけでなく、その構造的な一貫性によって、作品ごとの多様性や個性を越えたより普遍的な構造を提示しています。

 

お問合せ:gallery@tsca.jp

    Tokyo Gendai 2024 Galleries: C10

    Takuro Someya Contemporary Art (TSCA)は、東京現代にて岡﨑乾二郎とラファエル・ローゼンダールの作品を展示いたします。Galleriesセクターでの出展となる今年度は、2019年に豊田市美術館で開催された岡﨑乾二郎の大規模個展「視覚のカイソウ」で展示された大型のタイル作品と新作彫刻の出展が実現します。そして、ラファエル・ローゼンダールは2023年から2024年にかけてポーラ美術館にて開催されていた「モダン・タイムス・イン・パリ1925 ― 機械時代のアートとデザイン」展へ出展された高さ3メートルにおよぶレンチキュラー作品のシリーズをさらに多くのみなさまにご覧いただきたく、東京現代の場で改めて展示いたします。

     

    1955年東京生まれの岡﨑乾二郎の絵画や彫刻作品に結実した成果は、幅広い領域に及んでいる彼の活動や仕事に注目することでより理解できます。建築、コミュニティ・プロジェクト、批評家、思想家と、岡﨑は制作と理論の両面で “巨匠 “としての足跡を残してきている、がそこに見出されるのは一つの一貫する造形思考です。

     

    その彼の制作と思考のスタイルの独自さが集約して現れているのがセラミックタイルによる仕事でしょう。

     

    それぞれに異なる素材と焼成プロセスをもつ様々な色彩タイルを組み合わせ、一つの作品として構想することは、机上のドローイングではできません。

     

    無数の色タイルのそれぞれの特性を把握し、色彩のシークエンスをつくることは、むしろ映画の編集やあるいは哲学的な論考を組み立てるのと似た過程です。個々のタイルがもつ固有の質(たとえば透明な色彩とマットな色彩の対比は岡﨑の絵画を理解する鍵になるだろう)を生かし、岡﨑は数学的な問題を解くように、あるいは物語を編むように画面を組み立てる。できあがった作品のあらゆる部分が映画の場面あるいは建築空間の連続のように、そのつど固有な様々な色彩構成、独立した絵画作品のように現れ、それがなおかつ全体へ連続していき、見るたびに鑑賞者にさまざまなイマジネーションを喚起させます。画面を見るプロセスは思考するプロセスとひとつに重なりあいます。

     

    1980年オランダ生まれのラファエル・ローゼンダールは、2001年から独自のドメインを持つ「ウェブページ」で作品を発表し始めました。自らのアートを「どこにでも現れるガスや液体のようなもの」と定義するローゼンダールは、インターネットというユビキタス性を作品の基本構造として、ウェブブラウザや食べ物、風景など、身の回りのユニークな事象をモチーフにさまざまなフォーマットの作品を発表してきました。豊かな色彩と自由奔放な構図による作品の多様性は、観る者を楽しませるだけでなく、その構造的な一貫性によって、作品ごとの多様性や個性を越えたより普遍的な構造を提示しています。

     

    お問合せ:gallery@tsca.jp

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