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Past Exhibition

飯田竜太、鈴木基真、山下麻衣+小林直人、矢津吉隆

26 March - 23 April, 2016

Venue : Takuro Someya Contemporary Art

  • Mai Yamashita + Naoto Kobayashi, Artist Statement Written by Hieroglyphics, Acrylic on canvas 116.7 x 91.7 cm (one of three), 2015

  • Ryuta Iida, Group Exhibition “INCIDENTS 2016″ Installation view, 2016, Hachinohe Shuzou, Hachinohe, Aomori

  • Motomasa Suzuki, Solo Exhibition “Cinematic Orchestra”, Installation view, 2013, LIXIL Gallery, Tokyo

  • Yoshitaka Yazu, Unknown – “Mountain”, Black gesso, Oil-base paint on canvas, 60.5×80.5cm, 2010, Photo by Tomas Svab


Takuro Someya Contemporary Artは、グループ展「飯田竜太  鈴木基真  山下麻衣+小林直人  矢津吉隆」を開催致します。

この展覧会へ出展する4組は、それぞれのやり方で既知でありながら未明なる領域について、その行動力を通じて私たちに提示してきました。

 

飯田竜太は本や紙を媒介とした文字や言葉という情報を彫刻的に捉えようと試みています。

鈴木基真は自らのルーツへ踏み込むようにしてその断片を集め記録しています。

山下麻衣・小林直人は、一見平凡に過ぎてしまう行いや事柄をお互いに共有することで形あるものへ留めています。

そして矢津吉隆は「人と神」の織り成す空間や構造を日々の中で転換する術を探求しています。

本展では、それぞれの実践が作品となって交差し、その軌跡を辿ることを促すかもしれません。

 

ギャラリーは今年で10周年を迎え、本展覧会がその節目にあたります。

10年間にわたる皆様のご支援に心より感謝いたします。

これからも、引き続きお会いできます事を楽しみにしております。

 

 

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「飯田竜太 鈴木基真 山下麻衣+小林直人 矢津吉隆」展

 

 

山下麻衣と小林直人は、世界各国を旅しながら幅広く活動しているアーティストで、規制

概念を静かに解きほぐす「気づきの所作」を、多様なメディアを駆使して作品化していま

す。本展示では珍しく、2つの絵画シリーズを手掛けています。

1つは、「Artist’s Notebook」。 作家がアイデアを書き溜め、使い古されたノート。表情に富んだその表紙を、スキャナで読み込んだようなフラットな構図で、素朴な手つきで丹念に描写しています。

2つめは、「ヒエログリフで書かれたアーティスト・ステートメント」。象形文字であり

ながらアルファベットのような表音文字として用いられるヒエログリフ、これを日本語と

対応させて彼らは自らのアーティストステートメントを記し、絵画として描きおこしてい

ます。展示会場では、解読表を片手に読み解くこともできます。

ここで彼らの絵画がささやかに問うているのは、絵画のもつ表面性やそれが帯びている肌

合いと、ノートやテクストがもつ線形性の時系列や意味内容との間の、相容れない

パラドクスではないでしょうか。描くという行為と、読むという行為の、それぞれの視覚

が織り重なっている人の知覚を、巧みにくすぐる絵画なのです。

 

矢津吉隆もまた、絵画を出品しています。しかし、山下+小林とは対照的に、矢津の作品

は私たちが日頃は見ることのない世界を絵具の質料をとおして探検しているようです。一

見すると、ランダム性によって生み出される白い線と形ですが、これが無数に束なること

で、その形や線に次第に秩序が与えられてゆきます。行為を積み重ねることで、微分的に

析出される形象は、まるで磁力線のように、まさに自然の運動に近似してゆくかのようで

す。しかし、むしろそこからさらに反旗を翻して、運動を収束させない作家の営為を、画

面からは見てとることができるでしょう。矢津吉隆の作品はいつもこのような自然を超え

てゆくような世界の探検があり、見えている世界のさらに先へ目を向けさせます。

 

飯田竜太の本をめぐった彫刻作品は、質料と形相のバランスを変質させることで具現して

います。本を愛する飯田と、彫刻家・飯田の眼差しとが、せめぎあっているのです。本の

破壊と、立体的な創造を同時に行いつつ、変形によって永遠に読めないものになってしまったモノ。その本の死が具象化され、無性に愛おしく見えてくるのではないか。印刷物としてではなく、”飯田の本”の中身が、その形に閉じ込められ、開示されることはもはやないのです。優しくも破壊的な本への愛が、飯田を彫刻させるのです。

 

鈴木基真の作品では、彫刻とイメージの間にユニークな関係が結ばれています。幼少期から親しんだアメリカ映画のイメージと木彫とが結びついて、さながら「景色の彫刻」といった様相を呈しています。エリック・サティが「家具の音楽」と呼ばれたように、鈴木もまたオリジナルな作品概念を削り出しています。彼の彫刻のスケール感が、特有の不思議な印象をもたらすのは、端的にいって、景色と彫刻の出会いに起因しています。通常、景色にはビューポイントがあって、立っている位置からの距離が含まれており、それが人体との対比関係のなかでスケール感を生み出します。景色は視点の移動にともなって大きく変化しますが、彼の作品はそれとは異なり、私たちの接近にかまわずそこに静かに景色の彫刻として佇み、細部を眺めることもできるのです。これは、鉄道模型のようなミニチュア独自のスケールでジオラマを作り出す働きとも、全く異なる彫刻とイメージの結束を示しているのです。映画というイメージの世界に浸透した鈴木の知覚だからこそ、刻むことのできる立像なのです。

 

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開催期間 2016年3月26日 – 4月23日

開廊:火曜 – 土曜 12:00 – 19:00(休廊 日曜・月曜・祝日)

オープニングレセプション 3月26日(土) 18時 – 20時

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