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Past Exhibition

岡﨑乾二郎|TOPICA PICTUS てんのうず

31 October - 12 December, 2020

Venue : Takuro Someya Contemporary Art

  • TOPICA PICTUS てんのうず

 

Takuro Someya Contemporary Artは、岡﨑乾二郎の個展「TOPICA PICTUS てんのうず」を2020年10月31日(土)~12月12日(土)の会期にて開催いたします。私たちTSCAでは、8月の岡﨑個展「A Decade or So Ago・As Tears Go By」に続く今年2度目の展覧会となります。

 

前回の「A Decade or So Ago・As Tears Go By」は、2010年までに制作された作品の中から、作家が特別な意味を感じ大切に保存してきた作品群を10数年ぶりに=関連性のある絵画から彫刻、タイル作品まで12点を一同にする展示となり、その機会を通じ、現在、私たちが置かれている困難な状況の意味を改めて考え直す、回顧から展望へ思考を転換する内容となっていました。

今回の「TOPICA PICTUS てんのうず」は、その前回をプロローグとして位置付けるかのように広がっていくTOPICA PICTUSにおける4つの出発点の一つです。

2020年3月から6月にかけて、岡﨑はアトリエに籠り、150点強の作品を集中的に制作しました。その作品は複数に分割され、10月半ばより、美術館、ギャラリー、書店ほか、世界各地さまざまな場所で分散的に展示されます。また、その中から138点が収録された画集も出版されます。

TOPICA PICTUS は、画集を含むゼロサムネイルの概念を新たなステージへと押し上げる一群のシリーズとなっており、その新作は、これまでにないモチーフやタイトル、大胆な組み構成だけをみても、受け手である私たちの新たな思考を促し、様々な展望を抱かせる驚きと発見に溢れています。

 

 

「岡﨑乾二郎|TOPICA PICTUS てんのうず」

会期:2020年 10月31日(土)~ 12月12日(土)

場所 : Takuro Someya Contemporary Art
(東京都品川区東品川1-33-10 TERRADA Art Complex 3F TSCA)

開廊:火・水・木・土 11:00-18:00 / 金 11:00-20:00

休廊:日・月・祝日 
Tel: 03-6712-9887

 

TSCA含めた美術館・ギャラリーの開催日程は以下の通りです。

 

● 豊田市美術館  特集展示「岡﨑乾二郎  TOPICA PICTUS こざかほんまち」

2020年10月17日(土)~12月13日(日)

 

● 東京国立近代美術館  「TOPICA PICTUS たけばし」

2020年11月3日(火)~2021年2月23日(火)

 

● Takuro Someya Contemporary Art  「TOPICA PICTUS てんのうず」

2020年10月31日(土)~12月12日(土)

 

● 南天子画廊  「TOPICA PICTUS きょうばし」

2020年11月6日(金)~12月12日(土)

 

*休館/休廊日など詳細は各美術館・画廊にお問い合わせください。

 

 

TOPICA PICTUS

 

 

岡﨑 乾二郎

 

絵画を類的存在として考えれば、絵画はどれも絵画であることにおいて同じ、とみなされもしよう。であれば、個々の絵画をなお制作しなければならない切実な動機も失われてしまう。人間という類に人という存在を還元してしまうと、個々の生のかけがえなさが失われてしまうのと同じである。

つまり個々の絵が制作されなければならないのは、それぞれが類的存在としての絵画を超えた固有の問題=主題を抱えているからである。世界にさまざまな場所があり、無数の考えるべき問題=トピックがあるように、絵画はそれぞれ固有の問題、特別の場所に向き合って制作される。けっして他に換えることができない切実さがそこにある。(個々の絵を固有なものとして現前させる問題は無数にある、そしてこの無数の固有な場所、独自な問題のネットワークがこの世界を編み上げている、だから世界を一つの時間、空間に括ることは決してできないだろう。ゆえに世界は決して終わらない)。

2020年の3月からアトリエに籠り、いままでになく集中し作品を制作した。絵画の制作とはその都度、異なる固有の場所を引き寄せ、そして探索することである。絵画が絵画でしかないこと、つまり絵画はその絵画をおいてどこにも行けないという条件に留まることが、かえって絵画を通してどこにでも行けること、つまり絵画がなおそれぞれ固有の絵画でありうることの可能性であったことを実感をつよく持った。

 

 

TOPICA PICTUS のTOPICA はアリストテレスの弁論術の書名(弁論はそれぞれ別の規範をもった場所=トポスにしたがっていると示した)より。

 

 

岡﨑乾二郎は、1955年東京生まれ。1982年パリ・ビエンナーレ招聘以来、数多くの国際展に出品。総合地域づくりプロジェクト「灰塚アースワーク・プロジェクト」の企画制作、「なかつくに公園」(広島県庄原市)等のランドスケープデザイン、「ヴェネツィア・ビエンナーレ第8回建築展」(日本館ディレクター)、現代舞踊家トリシャ・ブラウンとのコラボレーションなど、つねに先鋭的な芸術活動を展開してきた。

東京都現代美術館(2009~2010年)における特集展示では、1980年代の立体作品から最新の絵画まで俯瞰。2014年のBankART1929「かたちの発語展」では、彫刻やタイルを中心に最新作を発表した。長年教育活動にも取り組んでおり、芸術の学校である四谷アート・ステュディウム(2002~2014年)を創設、ディレクターを務めた。2017年には豊田市美術館にて開催された『抽象の力―現実(concrete)展開する、抽象芸術の系譜』展の企画制作を行った。2019年ー2020年には同じく豊田市美術館にて全館を使って絵画、彫刻、レリーフなど、旧作から最新作までを展示し、これまでの活動を網羅した「視覚のカイソウ」が開催された。

主著に『抽象の力 近代芸術の解析』(亜紀書房 2018年)、『ルネサンス 経験の条件』(文春学藝ライブラリー、文藝春秋 2014年)、『芸術の設計―見る/作ることのアプリケーション』(フィルムアート社 2007年)。『ぽぱーぺ ぽぴぱっぷ』(絵本、谷川俊太郎との共著、クレヨンハウス 2004年)。

『抽象の力 近代芸術の解析』にて、平成30年度(第69回)芸術選奨文部科学大臣賞(評論等部門)受賞。

 

 

 

出版:

同時に 『TOPICA PICTUS とぴかぴくたす』 が刊行されます。

全作品150点のうち、138点を収録し、全貌が一挙に見渡せるのはこの画集だけとなります。表紙はクロス布貼り、『視覚のカイソウ』を凌ぐ高解像度で実物大掲載も含む、精緻で力のこもった画集です。

今回の出版にむけて作家はメッセージをよせています。

「進行中の各所での展示で絵画は、別々の場所に置かれることとなる。「《場所なき場所》として、この本をまとめることにした。」。

 

COVID-19感染拡大防止対策について
 
前回の展覧会から引き続き、開廊時間を短縮し、12:00〜18:00オープンとさせていただきます。
感染拡大防止のため、以下のような対応をとっております。
 
*ご来場時はマスクの着用をお願いいたします。
*入り口にアルコールを設置し、入場および出場の際に手指の消毒をお願いしております。
*入場制限(同時入場は3名まで)を行なっております。
以下の症状がある方はご来場をご遠慮くださいますようお願いいたします。
・37度以上の発熱がある
・風邪の症状(発熱、せき、くしゃみ、喉の痛みなど)がある
・強いだるさ(倦怠感)や息苦しさがある
・新型コロナウイルスと診断された、および診断された方と接触したことがある
・その他、体調に不安がある
*在廊するスタッフの検温や健康状態の確認を毎日実施し、勤務時にはマスクの着用など適切な感染防止策を徹底させていただいています。
*状況により入場の中止、臨時休廊させていただく場合がございますが、ご理解ご協力のほど、よろしくお願いいたします。

 

 

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