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鈴木基真:”Eyes / The form / An image” TSCA

展覧会のお知らせ

 

鈴木基真

“Eyes / The form / An image”

2012年7月6日 – 8月11日

 

1981年生、武蔵野美術大学造形学部彫刻学科を卒業した鈴木基真は、高所に設置した大きな天板の上に木彫群を配したインスタレーションで注目され、彫刻を基礎に据えた現像の可能性を探っています。様々なスケール感を持ち、個々に独立した彫刻が、一つのプレゼンテーションによって大きな存在へと姿を変える様は、社会そのものや自然のあらまし、あらゆる意味をもった構造に照らし合わせる装置とも受け取れます。

 

様々な視覚的な情報媒体からモチーフを抜き取り、アカデミックな彫刻という手法を用いながら軽やかに造形、立体化し、いましばらくの間イメージが世の中に留まる様にと願いながら制作している。その様な考えは、彫刻においては永遠と積み重ねられた基本的性質であり、現在のアイデアの強度と作品化の速度の早くなった美術の流れからすれば遅速で目立たないものかもしれないが、美術の歴史を真摯に見つめ、未来へと美術の価値を継承する為には、そこに存在し続け、いつどんな人が見ても同じ価値を発し続けるような彫刻というメディアが必要な気がしている。

鈴木基真ステートメントより

 

本展では、2011年から制作を始めた写真作品を中心に構成されます。木彫作品を制作する課程で生まれてきたイメージが基となっており、実際には存在しない風景である夜の風景の為の作品です。今回鈴木は、イメージの流動性に呼応するために、流動的で可塑性のある粘土を素材として選択しています。カラー粘土での造形を経て、実際のサイズでプリントすることによって、木彫作品とは反対に彫刻作品がデジタル化され平面情報に還元されます。また、このように可塑性のある素材を写真化することは、彫刻に於ける型取り、鋳造の技法を彷彿とさせるのではないでしょうか。それぞれの作品モチーフは、実際にあるものかどうかは確認出来ない(する必要の無い)ものばかりで、情報の価値や真偽の見極めについて、現代人がどのように向き合うかといった問いを投げかけているようです。

 

2010年に開催された「World is yours」展に続き、TSCAでの2回目の個展となる今回は、作家自身初の試みとなる大理石を素材とした作品で、これまでの鈴木作品に特有の台座を排し、彫刻の量塊性を身体に直接訴えかける要素が強調されています。震災後さらに浮き彫りになった物質的価値観や情報の揺るぎやすさ、脆さに対し、大理石という結晶硬軟の性質により永遠を感じさせるマテリアルの特徴と素朴さとを併せ持つ作品として感じられるのではないでしょうか。

 

その他、代表的な木彫シリーズの新作が併せて展示されます。

鈴木基真の最新作をこの機会に是非ご高覧ください。

 

鈴木基真:”Eyes / The form / An image” TSCA

展覧会のお知らせ

 

鈴木基真

“Eyes / The form / An image”

2012年7月6日 – 8月11日

 

1981年生、武蔵野美術大学造形学部彫刻学科を卒業した鈴木基真は、高所に設置した大きな天板の上に木彫群を配したインスタレーションで注目され、彫刻を基礎に据えた現像の可能性を探っています。様々なスケール感を持ち、個々に独立した彫刻が、一つのプレゼンテーションによって大きな存在へと姿を変える様は、社会そのものや自然のあらまし、あらゆる意味をもった構造に照らし合わせる装置とも受け取れます。

 

様々な視覚的な情報媒体からモチーフを抜き取り、アカデミックな彫刻という手法を用いながら軽やかに造形、立体化し、いましばらくの間イメージが世の中に留まる様にと願いながら制作している。その様な考えは、彫刻においては永遠と積み重ねられた基本的性質であり、現在のアイデアの強度と作品化の速度の早くなった美術の流れからすれば遅速で目立たないものかもしれないが、美術の歴史を真摯に見つめ、未来へと美術の価値を継承する為には、そこに存在し続け、いつどんな人が見ても同じ価値を発し続けるような彫刻というメディアが必要な気がしている。

鈴木基真ステートメントより

 

本展では、2011年から制作を始めた写真作品を中心に構成されます。木彫作品を制作する課程で生まれてきたイメージが基となっており、実際には存在しない風景である夜の風景の為の作品です。今回鈴木は、イメージの流動性に呼応するために、流動的で可塑性のある粘土を素材として選択しています。カラー粘土での造形を経て、実際のサイズでプリントすることによって、木彫作品とは反対に彫刻作品がデジタル化され平面情報に還元されます。また、このように可塑性のある素材を写真化することは、彫刻に於ける型取り、鋳造の技法を彷彿とさせるのではないでしょうか。それぞれの作品モチーフは、実際にあるものかどうかは確認出来ない(する必要の無い)ものばかりで、情報の価値や真偽の見極めについて、現代人がどのように向き合うかといった問いを投げかけているようです。

 

2010年に開催された「World is yours」展に続き、TSCAでの2回目の個展となる今回は、作家自身初の試みとなる大理石を素材とした作品で、これまでの鈴木作品に特有の台座を排し、彫刻の量塊性を身体に直接訴えかける要素が強調されています。震災後さらに浮き彫りになった物質的価値観や情報の揺るぎやすさ、脆さに対し、大理石という結晶硬軟の性質により永遠を感じさせるマテリアルの特徴と素朴さとを併せ持つ作品として感じられるのではないでしょうか。

 

その他、代表的な木彫シリーズの新作が併せて展示されます。

鈴木基真の最新作をこの機会に是非ご高覧ください。

 

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