この度、Takuro Someya Contemporary Artでは2018年5月12日(土)〜6月23日(土)まで、山下麻衣+小林直人の個展「自然観察」を開催いたします。山下+小林にとってTSCAでは2011年の「The Four Souvenirs and The Book」以来、約7年ぶりの個展開催となります。山下+小林は2001年から公式にユニットでの活動を始めて以来、国内外で映像や彫刻をメディウムに作品を制作・
スイス、アルプスの山々を訪れて制作された彫刻と写真のシリーズ《How to make a mountain sculpture》(2006-2010)をはじめ、これまでも自然を舞台とする作品を制作してきた山下+小林ですが、今回は展覧会タイトル「自然観察」のもと、自然を人の対義語として捉えるのではなく人も宇宙も流れゆく自然の一部とし、石、海、山、犬、星、人を同等のモチーフとして解釈し、観察しながら制作された新作の映像作品4点を発表いたします。
二画面に映像を投影する《海の声を山に聞かせる》では、とある山を登りながら、作家二人が海で録音した波の音をスピーカーで流し、木々や鳥、連なる山々に聞かせます。海と山という自然風景としては対極のもの同士を向き合わせることで生まれる違和感は、シュルレアリスムにおける手法の一種であるデペイズマンを思わせます。一方、「もの派風な構図を意識した」という《積み石》では、二人がうずくまって重なり合い、動かない石を演じることで「もの」と「生きもの」との境界あるいは連続性に疑問を投げかけます。《犬か海か》は、《Anne and Anne’s Sculpture》(2012)や《積み石》でも登場する作家の愛犬アンが海に向かって延々と吠え続けるようすを映した映像作品。波を生き物と思っているかのように戦いを挑むアンと、応戦するように時に激しく波を押し寄せさせる海との不思議な対立構造を映し出します。今回小部屋に展示される《北極星》は星空をビデオで撮影し、北極星が映る数ピクセルのみを拡大した作品。道標として人々を導いてきた星の光で部屋を満たします。
4作品を通して、近年の山下+小林のアニミズム的観点を色濃く表した展示となります。この機会に是非ご高覧ください。
山下麻衣/ 1976年千葉県生まれ、東京芸術大学大学院美術研究科博士後期課程修了
小林直人/ 1974年千葉県生まれ、東京芸術大学大学院美術研究科修士課程修了
山下と小林は高校時代に出会い、
山下麻衣+小林直人|自然観察
開催期間 2018年5月12日(土)~6月23日(土)
オープニングレセプション 5月12日(土) 18時 – 20時
開廊:火曜 – 土曜 12:00 – 19:00(休廊 日曜・月曜・祝日)
〒106-0047 東京都港区南麻布 3-9-11 パインコーストハイツ 1F
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