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Past Exhibition

岩井優|Control Diaries

5 September - 10 October, 2020

Venue : Takuro Someya Contemporary Art

  • Plan for Control diaries (sky), digital still image, 2020 Masaru Iwai

  • Installation view, photo by Shu Nakagawa

  • “Still of Sky Diary” installation view, photo by Shu Nakagawa

  • “Study for Sky Diary” installation view, photo by Shu Nakagawa

  • Installation view, photo by Shu Nakagawa

  • “Diary of the Street” installation view, photo by Shu Nakagawa

  • “Control Diary” installation view, photo by Shu Nakagawa

  • “Control Diary,” photo by Shu Nakagawa


Takuro Someya Contemporary Artは9月5日(土)から10月10日(土)まで、岩井優の個展「Control Diaries」を開催いたします。

TSCAでの岩井優個展は、2017年の個展「親密の遠近法」以来、3年ぶりの個展となります。

 

本展覧会では、岩井が関わった除染にまつわる記録を、映像インスタレーションやペインティング、フォトブックで構成し展示しています。

 

3年間定期的に関わった除染の中で、岩井がスマートフォンで撮影したそのままの画像を時系列で配置し398ページに及ぶ「フォト・ダイアリー」としてまとめました。作業員同士の関わりや、作業環境、プライベートな生活が窺い知ることができます。ニュースや報道では取り上げられない道端の美しい花や、日々の食事など作業者視点の貴重な記録ともいえるでしょう。それぞれの表紙には鉛筆と黒鉛(グラファイト)を使った手描きの表紙が付されています。

今回、岩井の制作にはめずらしく登場したペインティングでもグラファイトが使用されています。グラファイトは岩井がヨコハマトリエンナーレ2020参加作品《彗星たち》で焦点を当てた素材です。グラファイトの分子構造である正六角形をモチーフに、白と黒を基準色としてチャート化しています。黒鉛のもっとも身近な素材としては鉛筆の芯の材料であり、世界初の原子炉で中性子の減衰材としても使用されました。

現在の日本では軽水炉が一般的ですが、世界では今も多くの黒鉛炉が存在しています。そして世界初の原子炉から取り出されたプルトニウムによって通称”ファットマン”、長崎原子爆弾がつくられました。

 

80点並ぶ写真作品群に見られるどこにでもあるような町並みは、岩井が道路除染後、主に作業のない日曜や休工日に中判カメラを持参して撮影したものです。写真に映る道の細部に目をやると吸殻はもちろん、アスファルトのひび割れた溝にさえ雑草や小石も落ちていません。側溝のふたの表面は、高圧洗浄で洗われ白くなり、民家の塀の汚れとコントラストを生み出しています。岩井がいうように、除染後は「世界で一番きれいな道」となった町の記録ですが、この町並みには人が映っておらず、現在の視座から見れば、外出自粛中のようにも感じられます。

 

構造体に映し出される空の記録は毎日1分間、スマートフォンで撮影したものです。空の記録は日々の天気を写したものですが、屋根の上では70度を越すこともあり作業者にとっては肉体的な負荷の記録でもあります。岩井の空のプランは、1つとして同じではない日々の空を再度1つの空へと再構成することです。ジオデシック・ドームの約100面のフレームに空を投影(もしくは映像用パネルに上映)し、目に見えない汚染と美しさの同居する複雑な空を感受させます。今回のインスタレーションでは18面の部分的な試作を提示して、未来の構想へとつなげていきます。

 

岩井の制作アプローチのひとつ、共に過ごしながら記録していく参与観察的手法で除染にまつわる現場に身を寄せました。対象となる道や空は特定の「ここ」ではなく、「どこでもありえる」という一貫した立場がとられています。道も空も境界を引くことはできず、どこまでも拡がるものですが、境界分けされた区域のみを清掃することに関わったからこそ、非境界としての道や空に関心が向かったのかもしれません。「decontamination=汚染を取り除く」という清掃や浄化と同じ地平にある行為を日々記録していき、それらを再構成して、特定の事象から世界的な広がりへと接続していきます。

 

現在、岩井は10月11日まで開催されているヨコハマトリエンナーレ2020「AFTERGLOW – 光の破片をつかまえる」 に参加しています。オンラインで一般参加者とディスカッションし、清掃にまつわるアクション《彗星たち》を行っています。

また、nichido contemporary art(八丁堀)にて9月26日まで開催されている、近藤健一氏(森美術館)キュレーションによるグループショウ “Identity XVI – My Home? -”に作品を出品しています。

 

合わせてこの機会にご覧いただけましたら幸いです。

 

展覧会概要

「岩井優|Control Diaries」

会期:2020年 9月5日(火)~ 10月10日(土)

休廊:日曜・月曜・祝日

開廊:火曜~土曜 12:00 – 18:00(*営業時間を短縮しております)

会場:Takuro Someya Contemporary Art

〒140-0002 東京都品川区東品川1-33-10 TERRADA Art Complex 3F TSCA

TEL 03-6712-9887 |FAX 03-4578-0318 |E-MAIL: gallery@tsca.jp

 

COVID-19感染拡大防止対策について

 

前回の展覧会から引き続き、開廊時間を短縮し、12:00~18:00オープンとさせていただきます。

感染拡大防止のため、以下のような対応をとっております。

 

*ご来場時はマスクの着用をお願いいたします。

*入り口にアルコールを設置し、入場および出場の際に手指の消毒をお願いしております。

*入場制限(同時入場は3名まで)を行なっております。

*以下の症状がある方はご来場をご遠慮くださいますようお願いいたします。

・37度以上の発熱がある

・風邪の症状(発熱、せき、くしゃみ、喉の痛みなど)がある

・強いだるさ(倦怠感)や息苦しさがある

・新型コロナウイルスと診断された、および診断された方と接触したことがある

・その他、体調に不安がある

*在廊するスタッフの検温や健康状態の確認を毎日実施し、勤務時にはマスクの着用など適切な感染防止策を徹底させていただいています。

Artist Profile

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