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矢津吉隆:”umbra”

この度Takuro Someya Contemporary Art では矢津吉隆個展「umbra」を開催いたします。

 

矢津吉隆は1980年大阪生まれ。2004年に京都市立芸術大学美術学部美術科彫刻専攻卒業。在学中よりアーティストグループAntennaの中心メンバーとして活動。作品の企画から映像、立体造形、絵画と様々な領域で活動に携わっています。 2007年にAntennaを脱退し、同年9月の個展「宇宙 儀式 家」で個人活動を再開。人種や民族を越えて人間に共通する“神を感じる感覚”を主題に、立体・絵画・写真・インスタレーションなど様々な媒体を用い、現代 におけるコモンセンス(共通感覚)としての“神”の表現を試みています。主な展覧会に「Holy and Common」/TSCA ,「THE CORONA」/アートスペース虹 等。2008年以降、東京での活動はもちろんの事、ベースを置く京都にて積極的に展覧会へ参加しています。

 

矢津は白や黒、光と影、有と無など相対的する2極の中間領域に無限の可能性がある事を示唆するような作品を制作。矢津の作品からは、あいまいな物事やその言葉、言葉を発する人間との間にもその都度ギャップは広がりつつあり、誤解を理解と認識している事をむしろ前向きな姿勢で捉えさせようとする意図が伺えます。作品のイメージとしてしばしば出てくる”分からない何者か”と退治するとき私たち人間は、宗教や妖精、怪物や幽霊という形でそれを形に与えようとしてきました。科学や哲学、数学などの世界理解と手段とは違いますが、新機軸となっている事は確かです。

 

絵の中の人物は平面の側に立つ限り、立方体の奥行きを知ることはできません。
私たち人間が感じることのできる世界はこの世界のほんの一端でしかなく、大部分は認識の外側に位置しています。ただ、知覚可能な世界の幅は一定ではなく変化し、その幅によって見えないはずのものが見えたり、逆に見えるはずのものが見えなかったりするのかもしれません。

日常の知覚の外側からのアプローチは人間の想像力(死を想うこと)を媒介して神や幽霊、妖怪を生み出しました。
曇りガラス一枚を隔てて“こちら”と“あちら”はシルエットを浮かばせるように緩やかに関係しています。
祈ることや祀ること、そして作品をつくることはその曇りガラスを研磨しより向こう側を覗こうとする行為かもしれません”

矢津吉隆ステートメントより

 

今回の展覧会では、前回TSCA, Tokyoで行われた”unbra”のプレ展覧会で発表した、平面と立体からなるシリーズの大作”unknown monochrome”に加えて、大喜智裕との凶作映像作品”unbra”を発表いたします。作家自身初の試みとなる3DCG映像の中では普段何気なく目にしているイメージがフェイクとして存在しています。数式によって成り立った世界は一見完全に制御された世界のようですが、それを体験する人間を通してさらにアニミズムによる制御不能な未知の世界を生み出しています。何もない荒野に突如として現れた、空中を浮遊する謎の構造物。映像は一人称視点で写し出されていいますが、それが人間の目線だということは、未知のものとの対峙による困惑からくる視線で伺い知る事ができます。帰納と演繹の間で前駆し答えを持たないアートというジャンルから、”何ものか”を表現し続ける矢津の新作を、この機会に是非ご高覧ください。

 

矢津吉隆 「umbra」
2011年2月4日 – 3月5日
会場:TSCA, Tokyo
オープニングレセプション:2011年2月4日(金) 18-20時

矢津吉隆:”umbra”

この度Takuro Someya Contemporary Art では矢津吉隆個展「umbra」を開催いたします。

 

矢津吉隆は1980年大阪生まれ。2004年に京都市立芸術大学美術学部美術科彫刻専攻卒業。在学中よりアーティストグループAntennaの中心メンバーとして活動。作品の企画から映像、立体造形、絵画と様々な領域で活動に携わっています。 2007年にAntennaを脱退し、同年9月の個展「宇宙 儀式 家」で個人活動を再開。人種や民族を越えて人間に共通する“神を感じる感覚”を主題に、立体・絵画・写真・インスタレーションなど様々な媒体を用い、現代 におけるコモンセンス(共通感覚)としての“神”の表現を試みています。主な展覧会に「Holy and Common」/TSCA ,「THE CORONA」/アートスペース虹 等。2008年以降、東京での活動はもちろんの事、ベースを置く京都にて積極的に展覧会へ参加しています。

 

矢津は白や黒、光と影、有と無など相対的する2極の中間領域に無限の可能性がある事を示唆するような作品を制作。矢津の作品からは、あいまいな物事やその言葉、言葉を発する人間との間にもその都度ギャップは広がりつつあり、誤解を理解と認識している事をむしろ前向きな姿勢で捉えさせようとする意図が伺えます。作品のイメージとしてしばしば出てくる”分からない何者か”と退治するとき私たち人間は、宗教や妖精、怪物や幽霊という形でそれを形に与えようとしてきました。科学や哲学、数学などの世界理解と手段とは違いますが、新機軸となっている事は確かです。

 

絵の中の人物は平面の側に立つ限り、立方体の奥行きを知ることはできません。
私たち人間が感じることのできる世界はこの世界のほんの一端でしかなく、大部分は認識の外側に位置しています。ただ、知覚可能な世界の幅は一定ではなく変化し、その幅によって見えないはずのものが見えたり、逆に見えるはずのものが見えなかったりするのかもしれません。

日常の知覚の外側からのアプローチは人間の想像力(死を想うこと)を媒介して神や幽霊、妖怪を生み出しました。
曇りガラス一枚を隔てて“こちら”と“あちら”はシルエットを浮かばせるように緩やかに関係しています。
祈ることや祀ること、そして作品をつくることはその曇りガラスを研磨しより向こう側を覗こうとする行為かもしれません”

矢津吉隆ステートメントより

 

今回の展覧会では、前回TSCA, Tokyoで行われた”unbra”のプレ展覧会で発表した、平面と立体からなるシリーズの大作”unknown monochrome”に加えて、大喜智裕との凶作映像作品”unbra”を発表いたします。作家自身初の試みとなる3DCG映像の中では普段何気なく目にしているイメージがフェイクとして存在しています。数式によって成り立った世界は一見完全に制御された世界のようですが、それを体験する人間を通してさらにアニミズムによる制御不能な未知の世界を生み出しています。何もない荒野に突如として現れた、空中を浮遊する謎の構造物。映像は一人称視点で写し出されていいますが、それが人間の目線だということは、未知のものとの対峙による困惑からくる視線で伺い知る事ができます。帰納と演繹の間で前駆し答えを持たないアートというジャンルから、”何ものか”を表現し続ける矢津の新作を、この機会に是非ご高覧ください。

 

矢津吉隆 「umbra」
2011年2月4日 – 3月5日
会場:TSCA, Tokyo
オープニングレセプション:2011年2月4日(金) 18-20時

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